一般在来工法の築8年くらいの住宅1階にある台所の排水詰まりトラブルポタポタチョロチョロの修理案件をご紹介します。お客様から台所の水が全く流れないので困っている(シンクにたまったまま)というお電話を頂きました。ここ最近排水の流れ方が悪かったそうで、ここ数日は市販の薬品を使用しながら様子を見ていましたが、今日になって完全に流れなくなってしまったというお話しでした。仕事やお子さんのお迎えの関係であまり時間がなく、仕事から帰って来たあとも料理ができないと困るのでできれば早く解決したいとのことでしたので、大急ぎで駆けつけました。築8年で今回が初めての詰まりトラブルのようでした。一階に台所があり、シンクに水が溜まってしまっていました。収納の中を覗いて排水管への繋ぎ口を確認すると、排水管に排水ホースが差し込まれていて隙間にパテの様なものがぎっしりと詰め込まれていました。今ここでホースを抜き取ると溜まっている排水が流れ出て大変なことになりそうでしたので、あまり触らずに屋外の排水マスを確認しに外へ移動しました。排水マスとは屋内の排水が建物の壁を貫通して外へ出てくる出口の交差点のような場所で、台所やお風呂、トイレなどそれぞれの系統毎に設置されるのが一般的です。今回は台所が建物の一番奥に位置(第一起点ます)していて、台所の窓のすぐ外側にありました。フタを開けて中を覗くと油カスと濁った排水で溢れかえってしまっていました。お客さまはそれを見て絶句されていましたが、ここまで詰まりが蓄積しているとは思っていなかったのでしょう。8年という年数から考えても、この油カスの量は多いような気がしました。この排水マスはタメマスと言って、台所から出てきた排水を底が少し深い部分に一度落とし込み溜めて、そこから溢れた分を下流の排水管へ流すという構造になっていました。出てきたものを一度溜めますので、重みのある物や汚れや油分はすぐに流れていかずに停滞し、壁面に付着して蓄積していきます。従って、タメマス内に溜まる物を定期的にさらって掃除をする必要があります。今まで一度も掃除をしたことはなく、その必要性も知らなかったとのことでしたので、入居されてからの蓄積分ということになります。しかし、油カスが多かったので、普段されている料理について詳しくお聞きすると、お子さんのお弁当のために肉料理の頻度が多いようでした。動物性の油は冷えると固まりますし、タメマスでは水が流れる勢いも緩やかなのでどうしても溜まってしまうのでしょう。今回はお急ぎのようでしたので、タメマス内に蓄積した固形物を、スコップで全てさらって燃えるゴミへ、タメマスと台所の間の排水管内は高圧洗浄機にて洗浄して開通させる方法をご提案しました。高圧洗浄は排水管内の汚れを細かく粉砕して洗い流す作業で、詰まり抜き作業における最も確実で強力な方法で、作業時間も早く済みます。機材のセッティングと作業、片付けも併せて一時間もかからずに無事流れるようになり、付着していた油カスも全て洗い流しました。しかし、大事なのはこれからで、タメマスという構造になっている以上、また放っておけば同じことが起こってしまいます。定期的なマス内清掃が必要であることをしっかりとご説明させて頂きました。タメマスと同じような機能のものとして、トラップ付きのマスがあります。これは屋内からの排水管とマスの接続部分にUの字の形をしたトラップを設けたもので、Uの字の部分に水が溜まって臭いや虫の侵入を防ぐ構造になっています。こちらもトラップ部分に汚れが蓄積しやすいので定期的な清掃が重要となります。このようにご自分の住まれる家の事、どのような構造になっていて、どんなことに注意が必要で、どのようにメンテナンスしていく必要があるかなどは、家を買う時や建てる時に説明されたことがある人はまずいないと思います。知らずに住まれている人がほとんどでしょう。しかし、仕組みを知ることでご自身で解決できることも出てきますし、トラブルの予防につながりますので、ご自分の住む家の事、一度確認されてみるのはいかがでしょうか。油は溜まりますのでご注意ください。
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