道の駅みたいな商業施設のトイレにて発生した小便器の詰まりトラブルについて、ローポンプを使用した詰まり除去作業の事例をご紹介します。ショップモールから緊急の排水詰まり修理依頼を頂きました。施設内に複数あるトイレうち小便器が一台だけ詰まってしまって、溢れそうになるとのことで、できるだけ早い修理をご希望でしたのでそのまま現場へ急行しました。建物各階にトイレがあり、問題となっているトイレは三階でした。洋式便器も小便器もどちらも複数台あるトイレで、ほとんどの便器は問題なく流れていましたが、小便器が一台だけ水が溜まってしまって連続で水が流れると溢れてしまう状態でした。赤外線の自動洗浄センサーが設置されているので、人が近づいてしまうと勝手に流れてしまい溢れさせてしまいます。詰まってしまい個別に止めたい場合は、センサー部分にテープを貼り、自動で流れないようにします。時間が経つと少しずつ水位が下がっていくので水の通り道が少しはあるようでした。小便器の詰まりの原因としては、尿石の蓄積によるものと、異物流れによるものとが考えられます。尿の中の尿素という成分が結晶化したものが尿石です。便器の表面に黄色い着色が起こるのは尿石の付着によるもので、便器の内部や排水管内の壁面にも付着してしまいます。尿石が蓄積すると、通り道が閉塞して流れが悪くなり、詰まりを引き起こします。一方、本来流れてはいけないものが入ってしまって詰まってしまうケースが異物流れになります。小便器で多いトラブルの原因としては、ガムや水に溶けないティッシュなどがよく見受けられる異物です。便器の内部にはトラップ(匂いなどが逆流しないようにいつも水が溜まった状態の場所)と呼ばれるクネクネと曲がった構造部分があり、固形物はそこにひっかかります。今回はいろいろ調べましたが固形物は見られず、尿石の蓄積が原因と思われました。尿石を分解するため、まずすべての水分を除去します、そこに薬剤を投入してしばらく放置し、ローポンプという道具を用いて詰まりを除去しました。ローポンプは注射器と同じ原理の詰まりを除去する道具で、先端を便器に密着させて、水を吸ったり噴射したりできます。薬剤によって尿石を解れやすくした状態で、溜まってしまっているものを吹き飛ばすイメージでトラップと排水管内部に圧力をかけていきます。一番大事なのは便器内を水で満たすことです、その水を勢いよく吸い込んだり、噴き出したりを繰り返し、徐々に流れるようになってきました。薬剤投入とローポンプ作業を繰り返し、無事問題なく流れるように復元できました。小便器は使用頻度の多い場所では定期的な薬剤洗浄がお勧めです。
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